黒髪、

思い切って黒染めをした。

しばらくの間、赤色や金髪

明るい茶髪ばかりだった自分の頭が落ち着いた黒色になったのを見て

なんだか変な気持ちになった。

変な気持ちというのは、似合わないなぁという気持ちではなく

思ったより黒髪が似合っていたことに対してである。

学校に行っていた時は、

「なんて黒髪が似合わないんだろう。早く明るい髪色にしたい」と思っていたけど

黒髪でも、すっぴんでなければそれなりなんだなぁとふと思った。


17日、お出かけに行く。

デートと呼んでいいのか、確かではない。

デートにカウントされるんだろうか。

私は、デートと呼びたいんだろうか。

ただ、服装にずっと悩んでいる。

それに、3ヶ月美容院に行っていないこの髪の毛を

今日整えることにした。

17日に備えてである。

楽しみと、罪悪感。

ひたすらそれらが入り混じっていて

胸がドギマギとしている。


お気に入りの香水も見つけた。

デートへの準備は万端である。


ただ、1つ準備でいていないものとすれば

誰かに見られた時に批判されることへの恐怖である。


嘘を、重ねすぎてしまった。

いずれ嘘はバレるものなのだと知っていながら

まだバレていない嘘、そのせいで随分と息がしにくくなった。

どうすればいいのかもよくわからない。

ただ、ただ刺激が欲しくて。

ただ、この病気に対するイラつきも

自分への劣等感も

全て、いっときでいいから忘れたくて。


我儘ね、意気地なしだ。


コンタクトを新調して、サプリも買う。

これで、明日と明後日乗り切るんだ。

まだ、朝なんて信じられない。