慌ただしい。

寝落ちをして、18日。

 

一昨日、昨日とクラクラする日だった。

 

16日。

親友の誕生日。私の恋人と一緒に祝った。

ただ、完全に冷めてしまっていた私はどうしても態度を冷たくしていて

ほんの少し嫌な空気が流れつつあった。

好きじゃない人に触られて、イライラ。

お昼過ぎで買えるはずだった恋人が

ずっと居続けることにイライラ。

 

恋人が帰ってからの焼肉、

親友にありのままを話してみた。

 

派遣先の人が気になっていると。

浮気をずいぶん嫌う子だと、ずっと思っていたので嫌われる覚悟で言ってみた。

一言彼女は

「わかるよ、私もそっちのタイプの人間だもの」

と言ったのである。

親友に認められると、なんだか全てが軽くなった気がした。

 

17日、朝。

 

派遣先の彼と待ち合わせ。

楽しみで、20分も前に着いてしまった私。

香水をつけすぎていないか、はたまた香らなさすぎてないか

幾度となく嗅いでみては確かめた香りに鼻が麻痺し始めて香りがわからなくなった。

追加で香水をつけるのはやめておいた。

 

「休日運行、ミス。遅れる…」

その通知に、一瞬胸に波紋が広がった。

(もし、もし。本当は会いたくなくて遅れるって言ってるんだとしたら)

考えてもきりがないので、ミルクティーのMサイズを飲んだ。

 

やたらと時間が経つのが遅くて、空になりかけたミルクティーのグラスの結露に

携帯画面の通知の光が反射した。

 

「もう着く、ごめんね…!」

体内時計35分。現実時間13分。

グラスを返却して店から出たらちょうど向かいから歩いて来る彼。

私を見つけて、くしゃり。

いつもと変わらなかった笑顔に、先ほど広がった不安が少し消えた。

 

「おはよ、遅れてごめんね。」

その声と、いつも彼が付けているフレグランスが私に届く。

キョリ、手のひら、みっつぶん。

 

(軽い女の子って思わせないんだから)

そう思って、手を後ろできつく結んで隣を歩き始めた。

デート、開始。

 

ここから、どこまでを書けばいいのかわからない。

ただ、完全に彼のペースにヤラレタ。

 

気がついたら、手は握られている。

悔しくて、海を見つめている彼にもたれかかり

そっと頬を彼の唇に当ててみた。

 

「…って、え??!!」

慌てる彼が、少し可愛かった。

もちろん、顔は見れなかった。

え、と小さく聴こえた後に、二回頬に柔らかい感触。

同時に香る、その人のタバコの香り。

2、3回胸が大きく跳ねたのを私は気づかないふりをした。

 

そのキスから、距離がかなり縮まった。

 

エスカレーターに乗るたび、キュウと後ろから抱きしめる彼に

抱きしめやすいようにカバンを肩から外して手に持つ。

そのとき一度、指先が胸を掠めた。

思わず、ビクリと体が揺れた。

それから、指先が胸のあたりに行くことはなかった。

 

夜ご飯、

私の行きつけの居酒屋に行くことになる。

緊張のあまり、コンタクトが片目落ちてしまった。

焦点の合わない目、高鳴る胸と早い脈と、

いつもよりピッチの早いお酒に、酔いがいつもの速さ以上にぐらり回り出す。

 

(私、今一緒にお酒を飲んで、ご飯を食べてる!)

その事実に、お酒の影響もあってニコニコ笑顔がたまらない私。

 

それを、

「めっちゃ、嬉しそうじゃん」

と、猫を撫でるが如く頬に手を伸ばしてくる。

(今なら、いいかなぁ)

なんて思って、目を閉じて思い切り頬をすり寄せた。

「猫みたい、可愛い笑」

親指でスウと頬を撫でる。

彼の指も多分熱かった。

私の頬も熱かっただろうと思う。

 

お店を出て、階段に座る。

珍しく、蚊はいなかった。

思った以上に、お酒が回っている。

隣、手のひら2つぶん空けて座った彼の距離が近い。

思わず、顔をじいと見てしまった。

肩をぐいと寄せられた、唇が重なった。

くっついて、離れて。

私の鼻腔を、タバコの香りとフレグランスが満たす。

「…っ、ずるい、」

敢えてこぼしたその言葉に、離れた唇をもう一度引き寄せられた。

開けるよう、無言で促された唇を開ける。

あまり経験のない私は、相手の動きに合わせた。

堪えきれずに漏れた私の声と、リップ音。

フッと、声を漏らして笑う彼が随分と大人でずるい人だと私は思った。

 

悔しくて、煽る私に乗せられる彼。

少し、ニンマリとした。

頭を胸に押し付けてくる彼を、ポンポンと撫でる。

髪を一筋指に挟み、くるりくるりと捻って遊んだ。

 

手を繋いで、電車に向かう。

彼がポロリとこぼした彼女というワードに、ニンマリと尋ねる私。

 

「え?私たちの関係って、なあに?」

「さぁ、そっちからゆってみてよ」

「いやよ、だって、私そんなの言ったことない。教えて?」

「もう…もう、ずるいよ。」

 

鼻と鼻がこすれ合いそうな距離。

吐息交じりの好きに、私は大好きと返した。

付き合っての声に、うん。

胸がキュンと痺れた。

 

またね、電車に乗るのをお見送りされた。

 

開いたラインで、恋人に別れを告げた。

正直、前から別れたかった。

きっかけがなくて、どうしたらいいのかわからなくて。

 

あっさりと別れた恋人に、三年間の思い出が思ったよりチラつかない。

今まで幾度となく別れようとしては、別れれなかったのは

1つの依存だったのかも。と曖昧に思った。

 

そして、日付が変わって、

中途半端な時間に目が覚めた私は

こうして日記を書いたのである。

黒髪、

思い切って黒染めをした。

しばらくの間、赤色や金髪

明るい茶髪ばかりだった自分の頭が落ち着いた黒色になったのを見て

なんだか変な気持ちになった。

変な気持ちというのは、似合わないなぁという気持ちではなく

思ったより黒髪が似合っていたことに対してである。

学校に行っていた時は、

「なんて黒髪が似合わないんだろう。早く明るい髪色にしたい」と思っていたけど

黒髪でも、すっぴんでなければそれなりなんだなぁとふと思った。


17日、お出かけに行く。

デートと呼んでいいのか、確かではない。

デートにカウントされるんだろうか。

私は、デートと呼びたいんだろうか。

ただ、服装にずっと悩んでいる。

それに、3ヶ月美容院に行っていないこの髪の毛を

今日整えることにした。

17日に備えてである。

楽しみと、罪悪感。

ひたすらそれらが入り混じっていて

胸がドギマギとしている。


お気に入りの香水も見つけた。

デートへの準備は万端である。


ただ、1つ準備でいていないものとすれば

誰かに見られた時に批判されることへの恐怖である。


嘘を、重ねすぎてしまった。

いずれ嘘はバレるものなのだと知っていながら

まだバレていない嘘、そのせいで随分と息がしにくくなった。

どうすればいいのかもよくわからない。

ただ、ただ刺激が欲しくて。

ただ、この病気に対するイラつきも

自分への劣等感も

全て、いっときでいいから忘れたくて。


我儘ね、意気地なしだ。


コンタクトを新調して、サプリも買う。

これで、明日と明後日乗り切るんだ。

まだ、朝なんて信じられない。

ブログスタート。

何度目かのブログ。

いつも、始めてみようと思う時は

決まって何か私が迷ったりしている時だ。

何か、自分の心の中で思うだけでは足りないから文字を連ねたくなるんだと思う。


今回もまた、

自分の悪癖が出てしまったから始めた。


160cm ぽっちゃり。

愛想良し。気遣い良し。

恋人あり。

だけど、異性からの承認欲求が異常。

愛されたくて、たまらない。

愛して欲しい。


今回もまた、派遣の仕事先で、

出会った15歳ほど年上の人と

少しクラクラした関係になりつつある。

…あっちは、もしかしたらそんな気ないのかも。

私が1人で熱を上げてるだけかな。

異性との関わりがなく過ごしてきた私にとって

今の恋人は初の恋人。

とってもいい人で理解もある。

なのに、私は内心

「このまま遊べないのは、いや」

と思ってる。

まだ、ヤンチャが許される時期に、

イケナイ事をしたい。


マンネリなのもあるのかもしれない。

私は、熱っぽくて冷めやすいタイプで

今たまたまその相手が15歳ほど年上の人ってわけ。


あーあ、文字がまとまらない。


軽く、握手するかのように触れた手が

少しカサカサしてた。

ジッポーを付ける時、次に吐き出す紫煙。

タバコの香りを隠すためのフルグランス。


もう派遣も終わってしまって、会うことなんてまずないんだけど、

それでも、なんだか色々と思うことがあるのかも。

なんて、本当は次にした

お出かけの約束のせいなのかも。

15歳ほど年上の人の、好みと私はかけ離れすぎている。

私だって、遊びのつもりだった。

気づいたら、返信が待ち遠しくなり

既読だけついているのなら

「面倒臭がられているのかな」と不安になって

「でも、ゲームをしているだけかも」と

気を紛らわせつつ。


もっぱら、夏の、一夏の恋なのかもしれない。

20歳。人生に1つ、

年上の人との一夏だけの恋があっても、いいのかもしれない。


恋人は、どうすんだ。馬鹿野郎。